●カー用品店やスーパーで売られているパンク修理材は、「外出先でパンクしてもバルブから空気を入れるように修理剤を入れるだけでパンク修理OK!」などと言う謳い文句で宣伝してますけど、タイヤを売ったり直したりする側から見ると、あんな迷惑なものはないですね。これはやっかみで言っているのではありません。
このパンク修理材というのは、要するに細い釘などの小さな異物がタイヤに刺さった時にだけ効果を発揮するもので、ちょっと大きめの異物、例えばボルトやカッターの刃のような5mm幅程度のものが刺さったらすぐに空気が抜けてしまうんです。
それで結局はスペアタイヤに交換して、タイヤショップなどに修理に持っていくことになるんですが、修理剤を注入したタイヤをホイールから外すと、タイヤの内側は白い生ゴムのような修理剤がベットリくっついて目も当てられない状態になっています。ホイールの方も同様に修理剤がベットリくっついています。我々は結局その修理剤をきれいに落としてから修理にとりかかる訳ですから、当然時間も余計にかかります。非常に大変なんです。
以前、「釘を踏んでもパンクしないタイヤ」というのが一時期ブームになりましたが、あのタイヤは最初から例の修理剤が入った状態で売られていたようなものでした。でも、釘などの異物を踏んだ穴を埋めるには結局修理しなくてはならず、修理した後にまた修理剤を塗るというとんでもなく手間のかかるタイヤだったのです。結局そのタイヤはもうなくなってしまいました。普通のチューブレスタイヤで充分だということにメーカーも気付いたのでしょうね。