タイヤの歴史は車輪の歴史であるといっても良いでしょう。一番古いものとして、紀元前3000年頃の古代メソポタミアのウル遺跡に車輪の付いた乗り物が壁画として描かれているそうです。
その後時代はずーっと後に来て1700年代に入った頃、ようやく馬車や三輪車が登場してくるのですが、当時は鉄の車輪が使われていた上に、道も砂利道ですから、非常に乗り心地が悪いものでした。きっと皆さん胃下垂や痔(?)に悩まされていたんでしょうね。
そこで、もっと乗り心地を良くする方法はないものか?と考えたイギリスのR・W・トムソンという人が、 1845年に初めてゴムに空気を入れたものを車輪に接着して使う方法を発明します。それまでにも車輪にゴムを巻き付けただけのものはあったのですが、ゴムを中空にしたものに空気を入れる事によって格段に乗り心地が良くなったのです。これが現在のタイヤの原型となり、以降多くのパイオニア達がもっと使いやすく、良いタイヤを目指して様々な開発をしてきました。
例えば、アメリカのチャールズ・グッドイヤーは空気入りタイヤの発明より前の1839年に、生ゴムと硫黄を混ぜて加硫させる方法を発明して その後のタイヤ製造に必要なゴムの製造法を確立しましたし、フランスのミシュラン兄弟は1891年に ホイールにタイヤを装着するのを簡単にする方法を発明し、当時の自動車レースで一躍有名になりました。